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  <title>Free Area in MAYU.</title>
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  <description>サイト予備軍のSS倉庫。
書きかけとか、SSSとか、ネタとか。
他ジャンルなども混合しつつ、気まぐれに更新中。</description>
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  <copyright>© Ninja Tools Inc.</copyright>
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    <item>
    <title>倉庫について。</title>
    <description>
    <![CDATA[サイトに載せるには短すぎる掌編や、会話文のみのSSSを主に載せています。<br />
繁忙期にはサイト予備軍のSSも上がったり、上がらなかったり…。<br />
<br />
作品傾向はサイトと同じくBASARAならサスダテ・サスコジュメイン。<br />
他ジャンルならサイトに掲載しているジャンルが多めです。<br />
<br />
<br />
何かご連絡ありましたら、この記事のコメントにでもどうぞ。<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right">（桐 拝）</div>]]>
    </description>
    <category>案内</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/%E6%A1%88%E5%86%85/%E5%80%89%E5%BA%AB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%80%82</link>
    <pubDate>Wed, 27 Jan 2010 08:12:03 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>滴り堕ちる続編*サスダテ（未完）</title>
    <description>
    <![CDATA[※リクエストが多かったので、その後の二人がどうなっているのか～というお話。<br />
<br />
<br />
　場所は新宿歌舞伎町―――多くの店がひしめくこの町の地下一階。Bar【bergolo（ベルゴロ）】は、相変らず静かな時間を刻んでいた。<br />
　店の中央に置かれたアクアリウムは直径30ｃｍほどで、それが床から天井までをぶち抜いている光景に、大抵の客は目を瞠る。水槽の中を泳ぐのは、黒と白の熱帯魚。視界除けとして作ったオブジェだが、思った以上に好評で、提案した自分としても嬉しい限りである。<br />
　アクアリウムを避け、少し奥まった位置に据えられているカウンターの中でシェイカーを振るうのが、この店のマスターである猿飛佐助。<br />
　現在、佐助の年齢は二十五歳。政宗の前より逃げて、はや六年の月日が経っていた。<br />
<br />
「―――よぉ、店の調子はどうだ？」<br />
「いらっしゃいませ、元親さん」<br />
<br />
　派手な容姿を引っ提げて店の静寂を乱した男は、ざわついた気配に頓着する事もなく佐助がいるカウンター席に陣取る。古馴染みである男の印象は、出会った当初から変わることはない。<br />
　―――豪気。派手。強引。<br />
　およそ良い類のものではないが、それでも佐助はこの男―――長曾我部元親が好きだった。<br />
<br />
「今日はお一人で？」<br />
<br />
　言外に「元就はどうした？」と聞けば、元親は露骨に眉を顰める。この様子では、いつもの如く仕事から逃げてきたのは間違いない。多忙を極める元就に知らせてやりたいのはやまやまだが、そんなことをすれば目の前の男からどんな報復を受けるか分からない。<br />
　苦笑するに留めた佐助は、元親がオーダーを出す前に、テーブルにグラスを滑らせる。重たいカットグラスに、綺麗に削られたアイスボールを浮かせたブランデーは、元親自らがこの店に仕入れたものだ。<br />
　元親は【bergolo】の常連客であると同時に、この店のオーナーでもある。<br />
　高校時代、次第に家に居るのが苦痛になってきた佐助が逃げ場にした場所。未成年ながら雇ってくれたクラブのオーナーが、偶然にもこの元親だったのだ。<br />
　元親は、三百人程度の組員を抱える指定暴力団、鬼道組の当代組長である。そんな大物が、佐助のどこを気に入ったのかは分からないが、店に来るたびに構いつけてくれるようになったことは、いまだ記憶に新しい。<br />
　政宗から逃げるしかなかった佐助には、後ろ盾と言われるようなものは何もなく。大学を中退したことに関しては踏ん切りもついたのだが、問題は生活費にあった。<br />
　アルバイト程度なら、なんとか身元を誤魔化して働けないこともなかったが、年齢が上がってゆくにつれ、それも次第に難しくなってくる。伊達の家から逃げる際に引き落とした全財産も、もうすぐで使い切ってしまいそうになっていたとき、ふいに元親の顔を思い出したのが始まりだった。<br />
　今まで一度として、極道になろうと思ったことなどなかったが、自分の義弟（おとうと）を己の欲のために穢すケダモノには、そんな職業が向いているように思えてならなかったのだと。音信不通だったことを元親に詰られ、根掘り葉掘り理由を聞き出された末、そう漏らした佐助を元親が嗤うことはなかった。<br />
　しかし、そんな理由で組入りしても、ただ腐って早死ぬのがオチだから、と。元親は佐助に働く場所を与えてくれた。<br />
　Bergolo―――「愚か者」という意味があるこの店は、佐助の過去への戒めに等しい。<br />
　大切で、愛おしくて仕方なかった存在を、自らの手で壊した罪。<br />
　何度もあの日の夢を見た。何度も遠い過去の夢を見た。そのたびに汗まみれで飛び起きて、震える体を嗤う日々。<br />
　いまだ色あせることなく思い出せる政宗の笑顔は、次の瞬間には最後に見た泣き顔へと変わってゆく。<br />
　「許さない」と泣き叫んで、ありったけの力で佐助の肩に爪を食い込ませていた、あの日。<br />
　あの日の傷は、どれほどの時が流れたとしても、消える事はないのだろう。政宗を忘れてしまわない限り。政宗への想いを断ち切らない限りは…。<br />
<br />
「それよかよぉ、おまえ…知ってっか？」<br />
「…妙に含みがある言い方ですね。面倒事は勘弁してくださいよ」<br />
「可愛くねえ野郎だなぁ。―――まあ、良い。近頃、この辺りで俺の事務所の場所を聞きまわってる奴が居るらしいんだが…」<br />
「元親さんのって言うと…鬼道組の組事務所ってことですよね？　なんか悪いことでもしたんですか？」<br />
「人聞きの悪ぃこと言うなっての。いかにも怪しい風体なら、俺もそれなりの対処はするが…。聞かれた奴の話じゃ、まだ若い野郎だって言うから気になって…な」<br />
<br />
　意味ありげに向けられる視線に、鼓動が跳ねる。<br />
　政宗と暮らしていた伊達の家は松濤の一等地に建っており、ここ新宿からそんなに離れているわけではない。けれど、この雑多な人の海の中で、そう簡単に出会うはずもないと高をくくって―――いや、本心では政宗の側から離れきってしまうのが怖かったことが仇になったのか、と。佐助は愉しげに唇を歪めている元親の顔を見る。<br />
<br />
「背格好とかは…分かってるんですか？」<br />
「大学生ぐらいの男で、細身。身長は170越えあたりで、黒髪を肩先近くまで伸ばしてる…そんなもんか？」<br />
「……右目、」<br />
「あん？」<br />
「右目は、どうなってたか…聞いてます？　前髪で隠してた、とか…」<br />
「…そうだって言ったらおまえ、どうするよ？」<br />
「―――、……」<br />
<br />
　元親には、それこそ全てを話している。<br />
　母を愛人として囲っていた男の元に身を寄せたこと。そこで大切にできる人間と出逢ったこと。そして、最後には欲望に負けて、その存在を穢してしまったこと。<br />
　そんな元親が、わざわざこうして話しにきたのだから、信憑性など聞く必要もないだろう。<br />
　政宗に逢う―――そう考えただけで、足元からひんやりした空気がせり上がってくるような気さえする。けれど、それと同じほど強く、あの眩しい笑顔をもう一度見たいという気持ちすらあって。<br />
　困惑顔で俯いてしまった佐助に、元親は追い討ちをかけるようなことを言う。<br />
<br />
「ま、俺んとこの奴らに聞いて回ってる程度なら、別に害はねえんだけどよ。…ここいらは、関東竜堂組の奴らとシマが重なってっからな。早く見つけて叱ってやらねえと、可愛い弟が痛い目見るかもしれねえぜ？」<br />
「関東竜堂組って…、龍志会二次団体の……？」<br />
「おう。組長の片倉は、穏健派で通っちゃいるが、ありゃキレると怖いタイプだろう」<br />
「元親さんの組と、そこって…いま関係は…？」<br />
「可もなく不可もなく、ってとこか？　けど、いきなり捕まえられて他所の組の事務所の場所聞かれちゃあ、若い奴らにゃそれだけで火種になるかもな」<br />
<br />
　この町でやくざに突っかかるなど、酔っ払いか馬鹿がやることだが、実際にそれで一月に何人も怪我人が出ているのだ。政宗が、その一人にならないという補償はない。けれど、政宗を止めるということは、政宗本人に佐助が接触しなければならない。<br />
　元親がこうして釘を刺しに来ている以上、これ以上の手助けをしてくれるつもりはないのだろう。元親にとって佐助は、それだけの価値もなければ、それ相応の見返りを返せる立場に居る人間ではない。<br />
<br />
「……元親さん」<br />
「…よぉ、佐助。俺はおまえのことが気に入ってるから、こうして話を持ってきてやったんだ」<br />
「……」<br />
「俺を、失望させんなよ」<br />
<br />
　立ち上がり際、くしゃっと佐助の頭を乱してから、元親は店を出て行った。<br />
　からっとした性格の元親にとっては、佐助の行動はうじうじと陰気で、じれったくて堪らないのだろう。そこに現れたのが、現状を変えることの出来る爆弾（まさむね）だ。<br />
　あの元親が飛びつかないわけがない。<br />
　政宗の危険を教えてくれたことを喜べばいいのか。ようやく訪れ始めた平穏を壊されることを恨めばいいのか。もう、それさえもわからない。<br />
　葛藤ならば、これまで何度も繰り返してきた。<br />
　逢いたいと思っては、逢えるはずがないと絶望し。顔を見たいと思っては、その表情に浮ぶ侮蔑をも見ることになるかもしれないと痛心した。<br />
<br />
『……さよなら、政宗』<br />
<br />
　全てを終わったことにしたくとも、世界はそれを許さない。<br />
　逃げてばかりの弱い自分を罰するのは、神か、それとも政宗か。<br />
　来る未来に想いを馳せて、佐助は一人昏い（くらい）嗤いを浮かべて思う。<br />
<br />
　本当に。政宗を貪ったあの瞬間に、この身が二つに裂けて朽ちればよかったのに―――、と。<br />
<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86/%E6%BB%B4%E3%82%8A%E5%A0%95%E3%81%A1%E3%82%8B%E7%B6%9A%E7%B7%A8-%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86%EF%BC%88%E6%9C%AA%E5%AE%8C%EF%BC%89" target="_blank">あとがき（言い訳）</a>]]>
    </description>
    <category>BASARA／サスダテ</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86/%E6%BB%B4%E3%82%8A%E5%A0%95%E3%81%A1%E3%82%8B%E7%B6%9A%E7%B7%A8-%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86%EF%BC%88%E6%9C%AA%E5%AE%8C%EF%BC%89</link>
    <pubDate>Fri, 11 Sep 2009 06:59:17 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>奥極／浮気の陰謀 </title>
    <description>
    <![CDATA[　上から振り下りてくる視線が、とても痛い。<br />
　形容するなら、包丁のような鋭さ―――だろうか。問題なのは、それが形容だけで済めば良いが、時折彼は本当に包丁を持ち出すところだろう。今も、視線を上げればそこにキラリと光るもの見つけてしまいそうで怖くてたまらない。……いや、ほんとうもう、冗談ではなく。<br />
<br />
「おい、黙ってねえで何とか言えや、クソ猿」<br />
<br />
　ちらり、と恐怖心を押さえ込んで頭上の人物を見上げれば、それは見事な仏頂面……もとい夜叉を背負ったお方。<br />
　彼の名は片倉小十郎―――正真正銘、最愛の妻と呼べる人だ……けれども。世でも問題視されているDVを推奨しているようなこのお方に、俺は一体どういう言い訳をすれば許して頂けるのだろうか。<br />
　否、言い訳どころか今回は完全な濡れ衣なのだ。<br />
　毎度毎度、この人に余計なことを吹き込んでくれる通称『伊達御三家』の面々が、また良からぬ事をこの人に告げたに違いない。なぜなら、俺には一切心当たりが無いことを責められているからだ。<br />
<br />
「『また遊びに来てね。優子』だと。……どこの優子ちゃんかは知らねえが、舐めた真似してくれたなあ、オイ」<br />
「や、だから……っ！　本当に知らないんですって！！」<br />
「知らねえだあ？　今日、部屋の掃除をしてた成実が、てめえのスーツから出てきたって証言してんだぞ？　しらばっくれてんじゃねえよ、クソッタレが」<br />
「いやいやいやいや！　まずそこから疑ってよ、小十郎さん！！　あの成実さんだよっ？　嘘っぱちの可能性のが高いじゃん！！」<br />
「……てめえ、俺の身内にケチ付ける気か？」<br />
「い、いえ…っ！　滅相も無いんですけれども……！！！」<br />
<br />
　それは濡れ衣っ！　と訴える声など、きっと頭に血が昇ったこの人には届いていない。だって、眼が怖い。本気で怖い。ちょっととは言えないその昔、敵対している組に一杯食わされた時とまったく同じ顔してるよ、小十郎さん。あなたの目から見た俺は、討ち入りに失敗して捕えられた馬鹿な鉄砲玉ですか？<br />
<br />
「……あっ、そうだ！　その子に電話して確かめるってのは？」<br />
<br />
　ふいに思いついた手段を告げれば、面倒臭そうに小十郎の片眉だけが器用に上がる。<br />
<br />
「ほう？　それだけ自信があるってことか？」<br />
「つか、俺無実だし……。俺が小十郎さん一筋なのは、良く知ってるでしょう？」<br />
「……どうだかな、」<br />
<br />
　ふう、と大きな溜息を漏らしながらも小十郎は自分の携帯を手にしている。ようするに電話を掛けてみることにしたのだろう。何はともあれ、これでおれの無実が確かめられれば、今日こそは奥さんが実家へと駆け込むことはなかろうと―――考えていた俺が馬鹿だった。<br />
<br />
「ああ、……そうか。仕事中、邪魔したな」<br />
<br />
　強面に似合わずフェミニスト気味の小十郎さんは、先ほどまで俺に向けていた刺々しい声とは打って変わった落ち着いた声で電話を締めくくる。その表情を見れば、結果は……良好…………あれ？<br />
　気のせいか、もの凄く怖い顔をしていらっしゃるんですけれども。あれ、なんで？　俺の無罪は決定されたんじゃなかったの！？<br />
　ほんの少し夜叉を背負ったお方に睨み据えられてチビりそうになっていた俺は、震える声をなんとか押さえつけてお伺いを立ててみる。いや、本当に怖いんだよ、この人の顔。良く俺結婚したなって、ちょっと昔の自分を尊敬。<br />
<br />
「ええ、と。小十郎サン……？」<br />
「先週の金曜と、そのまた先週の土曜日。お世話になりましたぁ……だとよ」<br />
「……ハイ？」<br />
「浮気決定、だな」<br />
「はぃいいいい？！」<br />
<br />
　ありえない！！　と叫ぶ間もない。<br />
　愛しい奥方様の手に握られているのは、紛れもなく今夜の晩飯の際にも使用されたのだろう包丁が……。―――毎夜楽しげにそれを研いでいるのは、この使用目的のためでは無いと思いたい。今後の生活のためにも。もとい俺の精神衛生上のためにも！<br />
<br />
「知ってるか、クソ猿。俺たちの世界じゃな、不始末を仕出かした奴はケジメとしてその体の一部を謝罪の形として親分に差し出すんだ」<br />
「そ、それが……如何なさいましたでしょうか？」<br />
「手前さんもよ、仮にも極道だった俺を嫁に貰ったんだ。そんくらい遣り遂げる覚悟はあるよなあ……？」<br />
「むっ、無理……！！　ってか、俺は無実だってば！！」<br />
「さっき優子ちゃんが直々にてめえの名前を言ったってのにしらばっくれんのか、ああ？！」<br />
「い、陰謀です！　きっとその子、伊達さんと繋がってるって！！」<br />
<br />
　そうなのである。知らない女の子といつの間にか出来てしまった縁。そんなもの、あの伊達御三家の陰謀に違いない。……というか、本当に優子ちゃんって誰よ。<br />
<br />
「猿飛ィ、俺ぁな……ここまで来んのに、これでも結構悩んだんだよ」<br />
「う、うん……知ってるけど、」<br />
「そんな俺に、てめえは言ったよな？　絶対に後悔させねえって、そう……言ったよな？」<br />
「い、言いました」<br />
<br />
　最愛の人が、怒気に少しの悲しみを混ぜた声で呟かれれば、それは慌てる。<br />
<br />
「なのに、俺は後悔しっぱなしだ……。そりゃあ、な。てめえと契って良かったと思うことも、無くは無い。だがな、猿飛。浮気だけは許せねえ……」<br />
「だから……！　してませんって！！」<br />
「ケジメ、今付けてみせろや。てめえも客商売だからな。指がなきゃ何かと不便だろう。だから……」<br />
<br />
　ごくり、と喉が鳴る。主に恐怖で。<br />
<br />
「……てめえのナニ、ちょん切って俺に捧げろや」<br />
「はぃいいいいいい？！」<br />
<br />
　嘘。マジ？　本気ですか、小十郎サン……って、本気に決まってるんですけれども、それは何と言うのか、何と言うのか……！！<br />
<br />
「こっこれが無くなったら、小十郎さんだって困るデショ？！」<br />
「困らねえな。俺は色に執着はねえし、それでてめえの浮気癖が治るんなら安いもんだ」<br />
「むむむむ、むりです！！！　長年連れ添ってきた息子と別れるなんて……とても！！！」<br />
「今は俺という連れ添いが居るんだから、かまわねえだろう？」<br />
「ちょ、いやっ、ほんと勘弁し――ぎゃぁああああ！！」<br />
<br />
　その日、マンションに轟いた絶叫に隣の部屋に待機していた伊達御三家の面々が酷く楽しげな笑みを浮かべていたのは言うまでも無い。<br />
　……追伸。なんとか息子は死守しましたが、お小遣いは全面カットな方向のようです。くすん。　<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E5%A5%A5%E6%A5%B5%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/%E5%A5%A5%E6%A5%B5%EF%BC%8F%E6%B5%AE%E6%B0%97%E3%81%AE%E9%99%B0%E8%AC%80%20" target="_blank">あとがき（言い訳）</a>]]>
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    <category>BASARA／奥極シリーズ</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E5%A5%A5%E6%A5%B5%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/%E5%A5%A5%E6%A5%B5%EF%BC%8F%E6%B5%AE%E6%B0%97%E3%81%AE%E9%99%B0%E8%AC%80%20</link>
    <pubDate>Sun, 31 May 2009 16:09:50 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mt28kz.blog.shinobi.jp://entry/91</guid>
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    <item>
    <title>あおばにねがう</title>
    <description>
    <![CDATA[<span style="color:#666666">▼書きかけ発掘。続き未定▼</span><br />
<br />
<br />
<br />
　あんたを好きだなんて思ったこと、一度もない。<br />
　ただの一度も、一瞬さえ。<br />
　思うままに生きているあんたが嫌いだったし、俺の全てを見透かしたようなその笑みも心底厭わしく感じていたから。<br />
　早く目の前から消えて欲しくて、何度その細っこい首に刃を付きたてようとしたか分からない。<br />
　けれどそう思うたび、思うたび。何故かあんたは隠しているはずの俺の心に気付いたかのように、いつもよりも酷く儚げに微笑んで、俺を呼ぶ。<br />
　―――殺して欲しいのか？<br />
　勘違いしてしまいそうなほどにあどけない、その笑み。<br />
　聞きなれない甘い声で俺の名を呼んで、己の胸に招き入れるかのように両腕を広げて、俺を呼ぶ。<br />
　さぁ、早く。はやくこの生を止めてくれと言わんばかりのその仕草。<br />
　だから、俺は―――。<br />
　あんたを殺す事なんて出来なかったんだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
＜――――――あおばにねがう。＞<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
　雨が降ると草の匂いが強くなる。そんな日が佐助は嫌いじゃない。<br />
　勿論、雨が降ったからといって仕事が無くなることも無し、いつもと同じようにせっせと働かなくてはいけない事には変わりはないのだが、ヒトの匂いを洗い流して、ただ自然の匂いだけを際立たせる雨の世界は何故か佐助に優しくて。濡れそぼる足元には辟易としつつも、滅多には味わえない心地よさを佐助は一人噛み締めていた。<br />
　佐助に与えられた今回の任務は、奥州の国境（くにざかい）にある『境の明神』として有名な住吉神社で待つ男に、密書を渡す事だった。<br />
　『境の明神』はこちら――関東側と奥州側とではそれぞれ祭る神が違い、関東側では男神である筒男命（つつのおのみこと）、逆に奥州側では女神衣通姫（そとおりひめ）を祭っている事で有名である。国境という事で武装した兵士が数人神社の境を固めてはいるが、行商人に紛れてしまえば入れないこともない。<br />
　―――第一、忍として長く働いている佐助ならばもっと侵入が困難な場所でさえ潜り込むことが出来るのだから、それも杞憂と言ったところだろう。<br />
　何にせよ。今日中に住吉神社まで足を運び、つなぎの者と連絡を付けなければならない事に変わりはない。本来ならば、のんびりと雨の臭いを楽しみながら街道を進んでいきたいところだが、そうもいかないのが現状か。一つ大きな息を吐き出した佐助は、背中に抱えた薬箱――今日の変装は薬売りなので――を抱えなおして、視界の悪い道をしかし難も無く進んでいった。<br />
<br />
　基本的に戦忍として武田に仕えている佐助は、普段はこんな雑用めいた事には手を出さない。―――人遣いの荒い主に、こき使われるのを除いては……だが。<br />
　敵地にまで侵入して接触しなければならない密偵の類と会うのならば別だが、今日の用事はただのお遣い。しかも至極私用の。<br />
　あの主にしてこの大将あり、と言えばいいのか悪いのか。佐助の体の良い脚代わりに使用してくれるのは、ありがたい事に己の主だけの特権ではないらしい。<br />
　先日、急に信玄に呼び出された佐助は、すわ一大事かと内心慌てていたのだが、何のことはない。近頃は近隣諸国の勢力が拮抗して、互いににらみ合いを続けているおかげで平穏な日々が続いている。それを「つまらん」と言い出した不届き者が一人居て。更にそれを「なら上杉殿とこの機会に、」と横から煽ってくれた馬鹿まで居て。見事佐助は与えられていた休暇を返上させられて、こんな遠くまで足を運んできているわけなのだが。<br />
　戦馬鹿は死んでも治る事は無いと言っていたのは誰だったのか。言いえて妙であると納得するには、まだこの仕事に納得できない佐助だが、つなぎの者に仕事を明け渡してしまった後にはお待ち兼ねの休暇が待っているのだからと、無理矢理に己を鼓舞してみる。<br />
　さもなければ、まるで子どもの遣いをしているようで悲しくなる。<br />
　気を使う仕事ばかりを与えられて、精神的に磨耗していくのもどうかと思うが、己の存在価値を疑うほどの簡単な任務を与えられるのもどうなのかと、佐助は思ったりするのだが。そのあたりの佐助なりの機微があの豪胆――はっきり言えば、鈍感――な男たちに伝わるわけも無い。<br />
<br />
　住吉神社で待っているという男はすぐに見つかった。<br />
　頼まれていた文を男へと渡し、二三言葉を交わせば任務は終了。なんとも呆気ない。一つの仕事を終えたのに、この開放感の無さは何なのかと嘆きたくなるほどに、呆気ない。<br />
　次の任務は数日後。<br />
　今度は逆に上杉から来る文を、佐助が甲斐へと持ち帰る手はずになっているのだが、この分ならばその仕事の方も悲しくなるほど呆気なく終わってしまいそうな予感がする。<br />
　二つの任務の間を休息日として与えられている佐助だが、いっそそのあたりに居るだろう仲間に仕事を譲り渡してもう少しのんびりと現実逃避をしていたい。―――いや、本気で。<br />
　出来もしないことを考えている時点で、現実逃避を始めているのだと気付けない佐助はぐるりと神社の景色を見渡す。<br />
　雨が降っているせいでやはり参拝者は少なく、せいぜい二、三人がいいところだろう。この分では反対側に位置する玉津島神社でも同じような塩梅なのだろう、と。興味本位で視界を巡らせた先でしかし、佐助は思っても見ないものを目にする事になる。<br />
<br />
『え、女……？』<br />
<br />
　雨のせいで霞む視界に飛び込んできたのは、美しい藍色を地にした煌びやかな打掛け。雨を吸ったそれはひどく重そうで、けれど濡れて深い紺青に染まっている箇所は瞠目するほど美しく、思わず佐助は目を瞠る。<br />
　豪奢な打掛けは位の高い証。そんな人間がこんな雨の中、しかも一人で神社を詣でているとは一体全体どういう事か。<br />
　女は何を願っているのか、先程からお堂の中に顔を向けるばかりで動きもしない。佐助は忍だ。仕事柄、許されていない人間と会話をする事は出来ない。それは他国の忍が偵察に来ているとどんな事から漏れるかわからないし、人間の印象に残らないようにという配慮でもあるのだが、その忍という性質ゆえ、佐助の好奇心は強い。<br />
　普段なら木の上からでもその行動を把握させてもらうところだが、生憎と今日は雨。視界が優れないこの中で、遠くからの観察は難しいだろう。<br />
　一歩、二歩と。<br />
　どんな声を掛けるかと、佐助はぼんやり考える。<br />
　身分の高い女に声を掛けることは、本来ならば無礼に当たる。ただ今は、それを罰する護衛が居ないからこそ無駄なちょっかいを掛けることにしたのだが、はてさて一体どうしたものか。<br />
　自尊心の高い女なら、身分違いに声を掛けられる事を厭うだろう。こういう時に浪士の格好をしておけば何かと便利だったのだが、佐助は見た目が細身で軟弱に見えるため正直武士の格好は似合わない。大抵行商人か、猿回しなどの放下師に化ける事が常だったりする。そのため、こんな格好で位の高い女になど声を掛けた事があるはずもなく、ついつい何と言葉を掛ければいいのか迷っていたのだが、しかし―――そんな佐助の考えは杞憂に終わる。<br />
　祈願が終わったのか、目の前の女がくるりとこちらを振り返ったのだ。<br />
<br />
「―――あ…、」<br />
<br />
　雨の中だというのに、ふわりと薫ってきた芳しい香の匂い。豪奢な打掛けの下は青を混ぜた灰色と落ち着いた重ねになっており、着物に包まれた体はしなやかで美しい。<br />
　肩先で遊んでいる髪の色は濡れた鴉の羽のように艶や（つやや）かな黒。それが添うように流れる肌は白皙で、唯一色を引いたように紅く濡れた唇につい目が吸い寄せられてゆく。<br />
　どこの姫君か知らないが、ここまで美しい人も稀だろう。<br />
　それがこんな雨の中に一人歩きとはなんと無用心な、と。つらつらと埒の無い事を考えながらも視線を上げていった先、澄み切った黒瞳と出会う。<br />
　黒曜石のように鋭さを兼ね揃えた黒瞳は美しい、美しい……が。<br />
　この何とも言えない既視感は何だろう。<br />
<br />
「ん……？」<br />
<br />
　額から被せた打掛けのせいで見えなかった右半身が、女が動いた事によって露わとなる。<br />
　相変らず整った造詣なのは言うに及ばず、ただ。―――ただ、見覚えのある額飾りを見つけた瞬間、佐助の目はこれ以上無いというほどに開かれた。<br />
　それの意図するところがきっと相手にも伝わってしまったのだろう。一瞬、白けたように眉根を下げるが、次の瞬間人を喰ったような笑みをその美しい唇に刷いて、『目の前の女』は笑う。<br />
<br />
「よぉ、武田の忍。手前さんもこんな雨ン中頑張るねえ」<br />
「うっそぉ……」<br />
<br />
　ニヤニヤ、と。戦場で何度と無く見せられた悪い笑み。<br />
　けれど、そうであってはいけない人間が良く見せるその笑みを、何故こんなところで見ることになるのだろう。<br />
<br />
「どうしたよ、鳩が豆鉄砲喰らったような顔して。―――んなに俺が美人か？」<br />
「…………」<br />
<br />
　くいっと近づけてきた顔は、少し化粧（けわい）を施しているのか、本来のそれよりも白く艶っぽい。以前より妙な色気がある人間だとは思っていたが、まさかここまで化けるとは……。<br />
　佐助は持って行きようの無い鬱屈を口内で噛み砕き、混乱する頭を整理しようとガシガシと己の頭を掻く。<br />
　確かにこの地は奥州で、目の前の人間が居ておかしい事も無い。一人で居るのは……、まあ不思議だが、己の主にも似たような脱走癖があるため目を瞑る。<br />
　それにしても、だ。<br />
　何故そんな不可思議な格好をして目の前に現れるのだと、胡乱な目つきで見下ろせば、にやりと笑う色っぽい唇。<br />
<br />
「政（まつりごと）に厭きて（あきて）きてなあ。ちぃっと逃げてきた」<br />
「……そんな格好で？」<br />
「側（そく）にこういうのが好きな奴が居てな、貸してくれるっつーから借りてきたんだよ」<br />
<br />
　あっけらかんとされた種明かし。筋はちゃんと通っている。それはもう、しっかりと。<br />
　―――けれど。<br />
　一国の主たるものが、何を白昼堂々女の姿をして神社参拝などしているのかと、怒鳴りたいのは佐助だけではないだろう。<br />
<br />
「なぁ、それより今暇か？」<br />
「……お仕事中デス」<br />
「よし、暇だな」<br />
「聞いてます？」<br />
「俺も丁度暇なんだ。いい機会だ、ちょっとその体貸せや」<br />
「……は？」<br />
<br />
　またこの殿様は無理難題を。悪態を付くのも面倒で、迷惑さを顔に貼り付けながら答えても一向に目の前の人間は気にした素振りを見せない。<br />
　それどころか、楽しげにその顔に喜色を刷くだけだ。<br />
　人のいう事は聞かないし、己の主張は曲げないし。子どもがそのまま大人になったような無邪気な笑顔を浮かべる主を持つ従者の気苦労が知れるというものだが、それに巻き込まれるようにして捕まってしまった自分はどうしたら良いのだろう。<br />
　確かに「お仕事中」などと言い訳をしてみたが、今はいわゆる「中休み」。暇と言えば暇なのだが、出来れば次の仕事に向けて情報収集などしてたいなぁ……などと。言えるものなら忍などが存在するわけがない。<br />
　何を血迷って他国の殿様相手に諜報任務をばらさなければならぬのか。―――否、見つかった時点で邪推されているのは必須だろうが。<br />
　ともあれ。これ以上の面倒事は御免だと。さっさと退散願おうと重心を後ろに下げてみたのだが、目ざとく気付いた目の前の人間がするりと首に腕を絡めてきたから堪らない。<br />
<br />
「ちょ、」<br />
「女からの誘いを断るたぁ、色男が廃るぜえ？」<br />
「いや、あんた女じゃないでしょう」<br />
「普段は……な。いいから付き合え、武田の忍」<br />
「―――俺には猿飛佐助って言う名前があんだけど」<br />
「知ってるぜ？」<br />
「…………」<br />
<br />
　この人にまともな会話を期待するほうが馬鹿だった。ぐったりと項垂れてしまった佐助を横目に、美しい人はクスクス笑う。<br />
　首に回した腕はそのままにしてあるから、己の頬に掛かる吐息がくすぐったいが、指摘するのもなにやら恥ずかしい。<br />
　そんな佐助の微妙な心情に気付いているのかいないのか。悪戯好きなこの人は、婀娜（あだ）っぽい視線を佐助へと投げながら、愉しげに言葉を紡いでゆく。<br />
<br />
「ここからしばらく行ったところに俺の屋敷がある。うるせえ奴らが来るまで、そこで茶でも飲んでようぜ」<br />
「あのさ、俺が他国の忍だって、ご存知？」<br />
「知ってるも何も、前の戦はよくも邪魔してくれやがったな」<br />
「だってそれが俺の仕事だし」<br />
「知ってるっての。もう御託はいいからさっさと来い。雨で体が冷え切ってやがる」<br />
「……誰のせいで立ち話してると、」<br />
「―――あァ？」<br />
<br />
　面と向かって話したことは片手で余るというのに、この遠慮の無さは何だろう。先程までは散々と絡んできたくせに、目的地に向かうとあってか急に踵を返してしまった人の背中を見ながら一人ごちる。<br />
　見たところ武装もしていないみたいだ――まあ、女装しているのだから刀など下げては居られないだろうー―し、佐助がここで刃を振りかざしたら一体どうするつもりなのだろう。<br />
　まさかなめられているのかと思わなくも無いが、この人に限ってそんなことも無い気はするし。恐らく、考えがたいことだが佐助を信用しているのだろう。<br />
　他国の忍を信用するお殿様なんて、寛容なのか馬鹿なのか。理解に苦しむところだが、佐助は一つ苦笑を零して目の前の人の後へと続いた。<br />
　一度ちらりと振り返った美しい女―――否、伊達政宗はちゃんとついて来ている佐助を見て、愉しげににやりと口角を吊り上げた。<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86/%E3%81%82%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%AB%E3%81%AD%E3%81%8C%E3%81%86" target="_blank">あとがき（言い訳）</a>]]>
    </description>
    <category>BASARA／サスダテ</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86/%E3%81%82%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%AB%E3%81%AD%E3%81%8C%E3%81%86</link>
    <pubDate>Fri, 22 May 2009 09:20:13 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mt28kz.blog.shinobi.jp://entry/90</guid>
  </item>
    <item>
    <title>クリムゾンエンパイア*カティシエ</title>
    <description>
    <![CDATA[<span style="color:#666666">（下の続きで、暗殺者時代妄想。やっぱり色々捏造）</span><br />
<br />
　暗闇に翻る闇色のマントを追って駆けてゆく。<br />
　彼とともに任務に当たるのは、もう幾度目になるだろう。<br />
　暗殺者の見習いであるシエラは、任務を任されたとしても常に監視役として幹部の誰かが付き添うことになっている。たいていは昔からの知り合いであるアリクが付いてくれるのだが、今日はたまたま手が空いたとかでシエラが属する暗殺者ギルドの長、カーティス＝ナイルが直々にシエラの監視役として任務に同行してくれている。<br />
（分不相応というか、なんというか）<br />
　普通、組織の長がわざわざ新米のために時間を裂いたりしないものだろう。<br />
　幼い頃からの知り合いのせいか、カーティスはシエラに対して妙に過保護で困る。<br />
（……私って、そんなに頼りなく見えるのかしら）<br />
　ギルドの仲間たちに「どこか抜けてる」と評されるシエラは、こっそりと首を傾げた。<br />
　これでも一応、このギルドに所属する前段階である幼児施設ではそれなりの成績で卒業したのだが。カーティスだけでなく、他の幹部にも危なっかしいと思われているようなので、シエラの疑問は深まるばかりだ。<br />
「シエラ？」<br />
　そんな他所事を考えていたせいだろうか。突如、前方から掛けられたカーティスの声に思わずびくりとしてしまい、ただでさえ不安定な屋根の上で一瞬体がぐらついた。<br />
（わ、わわ……っ！！）<br />
　見習いとは言え、シエラも暗殺者の端くれだ。気を散らして屋根から落ちたなどと知られれば、シエラの評判はおろか、師匠であるカーティス＝ナイルの評判まで落としてしまうかもしれない。<br />
　カーティスが他の人間に比べてシエラを厚遇してくれているのは眼に明らかだが、さすがに屋根から落ちたなどと初歩的なミスを犯せば見放されてしまうかもしれない――そんな焦りが、更に足元をぐらつかせたのだろう。大きくよろけた姿勢のまま屋根から足が浮いたシエラはもはや落ちるのは確実と受身の態勢を整えようとした、が。<br />
「……何をやってるんですか、あなたは」<br />
「う、わ……っ！」<br />
　空へと投げ出されそうになった体はすらりとした腕によって強引に引かれ、そのままカーティスの腕の中へと包み込まれた。<br />
　色々な意味で心臓が激しく脈動している。<br />
　呆れられたのか、もうシエラに目をかけてはくれないのか。着衣越しに伝わるカーティスの体温に赤くなりつつ、青ざめるという器用なことをしていたシエラは、ふうと頭上から落とされた溜息に身を竦めた。<br />
「まったく。よもや屋根から落ちるなど……。ほんとうにあなたは危なっかしくて目を離せませんね」<br />
「す、すいません」<br />
「これがあなたでなかったら、殺しているところです。愛しいあなただからこそお茶目で済まされますが、もしただの弟子なら八つ裂きにして鳥の餌にします」<br />
「……」<br />
　危なかった……っ！<br />
　心底、自分がカーティス＝ナイルのお気に入りで良かったと実感するシエラであった。<br />
「ですが、あなたがこれからもこういうミスばかりするのなら、暗殺者になどしてはおけません」<br />
　こちらも仕事ですからね、と続けるカーティスの表情には何の未練もないように見える。それが、酷く寂しいと感じてしまうのは、シエラの我が侭なのだろうか。<br />
　純粋に一個人として好いてくれるのは嬉しい。だが、シエラは暗殺者になるためにここに居るのだ。個人としてのシエラだけではなく、暗殺者としてのシエラも認めて欲しい。<br />
　そんなことを思い、自らの腕の中で暗くなるシエラに気が付いたのだろう。カーティスは優しいキスを前髪に落すと、シエラから視線を逸らすようにして話し始めた。<br />
「僕としては、あなたを愛でるだけの籠の鳥にすることに何の異存もない。誰の眼にも触れさせず、僕だけがあなたの世界になるというのは、とても魅力的に思える」<br />
　ですが、とカーティスは言葉を濁す。<br />
「暗殺者として育ったあなたにも、とても興味があります。ですから、こんな馬鹿なミスはしないでくださいよ」<br />
　心配するでしょう？　と苦笑を零したカーティスは、珍しく本音を語ったのに照れたのか、ぱっとシエラから手を離してしまう。<br />
　カーティスはシエラを愛玩動物のように可愛がるのには抵抗がないくせに、こうして一人の人間相手に真っ向な感情を向けるのはどうも苦手らしい。<br />
「さ、早いところ帰ってゆっくり休みましょう」<br />
　そう言い、駆け出した背中を見つめながら追いかける。<br />
　ずっとこうして、彼の背中を追いかけていられるのだろうか。<br />
　愛玩動物としてでもいい、暗殺者としてでもいい。できるなら、ずっと彼の背中を追って生きていたいと、シエラは今痛切に思った。<br />
<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/%E4%B9%99%E5%A5%B3%E3%82%B2/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%82%BE%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%A2-%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%A8_89" target="_blank">あとがき（言い訳）</a>]]>
    </description>
    <category>乙女ゲ</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/%E4%B9%99%E5%A5%B3%E3%82%B2/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%82%BE%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%A2-%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%A8_89</link>
    <pubDate>Thu, 19 Mar 2009 11:21:06 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mt28kz.blog.shinobi.jp://entry/89</guid>
  </item>
    <item>
    <title>クリムゾンエンパイア*カティシエ</title>
    <description>
    <![CDATA[<span style="color:#666666">（幼稚園パロディです。色々捏造。笑って許して）</span><br />
<br />
<br />
　ここ、暗殺者ギルド付属幼稚園では将来凄腕の暗殺者になるべく集められた子どもたちで賑わっている。<br />
　中でも際立って目立つのは、夕焼けを溶かし込んだかのような朱色の髪を持つ少年――カーティス＝ナイルだ。<br />
　カーティスは子どもたちの中でも特に能力に秀で、数十人の子どもを抱えるこの暗殺者ギルド付属幼稚園の長とも言うべき存在になっている。そして、そんなカーティスが常に目を向け、構っている存在が。<br />
「シエラ、ぼくからはなれてはいけないと言ったでしょう」<br />
「でも、ミハエルが」<br />
「いいわけは聞きません。あなたはぼくのものだと、まえから言っていたはずです。あなたは、ぼくのめいれいにしたがっていればいい」<br />
　カーティスの赤毛を更に煮詰めたような、深紅色の髪を持つシエラ＝ロザン。暗殺者としての腕については目を瞠るような特筆事項はないが、良くも悪くも人を惹きつける存在感を持つ少女である。<br />
　カーティスは彼女がこの幼稚園に入園してきて直ぐに接触を持ち、「あなたをぼくの弟子にしてあげます」と不思議なアプローチを開始した。<br />
　勝気なところもあるが、時折人恋しそうな顔をするシエラはそんなカーティスのアプローチに逃げ腰になりつつも、強く拒絶することもなく現状維持の状態が続いている。<br />
　しかし、というかなんというか。自分勝手なところがあるカーティスはそれに満足せず、シエラが他の園児（特にシエラが懐いているミハエルや、エドワルド）の側に行くと明らかに機嫌が悪くなる。今日も今日とて、ミハエルに呼ばれて少しの間自分の側を離れていたシエラが気に食わず、帰ってくるなりそれを叱っているらしい。<br />
「ぼくのそばをはなれてはきけんです。ずっとそばにいなさい」<br />
「……でも、」<br />
「あなたはぼくの弟子でしょう？　ぼくの言うことをききなさい」<br />
　噛んで含めるように言うカーティスに、シエラは少し不服な様子。むう、と尖った口が傍目にも愛らしい。<br />
「あなたのためをおもって言ってるんです。……わかりましたね？」<br />
「……やだ」<br />
「シエラ」<br />
「だって、」<br />
「……」<br />
「……」<br />
　見詰め合うこと数秒。シエラはびくびくと腰が引けているが、カーティスはどこまでも真剣な表情でシエラの顔を見つめている――、と。<br />
『ちぅ』<br />
　突如、カーティスがシエラに不意打ちのキスをした。<br />
「……あぅ」<br />
「いいですね、シエラ？」<br />
「でも、でも」<br />
「もういっかいキスされたいんですか？」<br />
「や、やだ」<br />
「ほんとうに……？」<br />
「///」<br />
　それに照れて紅くなるシエラ。更に追い詰めるカーティス、と。最近見慣れ始めた光景に、ここ暗殺者ギルドの保育士でもあり暗殺者としての先達でもあるアリクは、溜息を吐きつつ目を逸らした。<br />
　まだまだ幼いくせに色気過剰なカーティスは、色事に疎いシエラをからかうのが愉しくて仕方が無いらしい。<br />
　こうして迫っては、またそれ故に遠巻きにされると気付いているのかいないのかは知らないが、毎度毎度よく飽きないと思うほどにシエラに構っては赤面させている。<br />
「まっかになってる。鼻血はださないでくださいよ？」<br />
「だっださないもん！」<br />
「じゃあ、ほんとうにでないかためしてみましょうか」<br />
「え、えっ？」<br />
「ほら、もういっかい……」<br />
　わたわたと動転するシエラに、隙ありとばかりにキスをするカーティス。<br />
（……他の園児たちが真似しなければいいが）<br />
　そんなアリクの心配など露知らず、ませたお子様はお気に入りの少女をたらしこむことに余念がないご様子だった。<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/%E4%B9%99%E5%A5%B3%E3%82%B2/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%82%BE%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%A2-%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%A8_88" target="_blank">あとがき（言い訳）</a>]]>
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    <category>乙女ゲ</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/%E4%B9%99%E5%A5%B3%E3%82%B2/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%82%BE%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%A2-%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%A8_88</link>
    <pubDate>Tue, 17 Mar 2009 05:33:29 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mt28kz.blog.shinobi.jp://entry/88</guid>
  </item>
    <item>
    <title>BASARA+薄桜鬼＠極道パロ2</title>
    <description>
    <![CDATA[（下の続き）<br />
<br />
<br />
<br />
「土方さーん、お客さん連れてきましたよー」<br />
　政宗たちを案内した男――名前は沖田総司と言うらしい――は、玄関を上がると奥に向かって声を張り上げながら、政宗たちにはここに待っているように言い渡してさっさと奥へと入ってしまった。<br />
　長くて広い廊下の両側にはずらずらと対の襖が並び、壮観ともいえる造りになっている。思わず伊達の本陣もこんな風に造り変えてえなぁ…と思っていた政宗の思考はどうやら筒抜けだったようで、後ろに控えていた小十郎から「駄目ですから」と忠告が言い渡された。<br />
「改築したいなんて言えば、兄上の雷が落ちます」<br />
「……でもよ、そろそろあの家も狭くなってきたし」<br />
「駄目です」<br />
「組織も大きくなってきて、見得も張りてえし……」<br />
「駄、目、で、す」<br />
「……」<br />
「兄上に相談してみるのは止めませんが、小十郎は一切関知しませんのでそのおつもりで」<br />
「鬼かてめえは……！！」<br />
　小十郎が言う「兄上」とは小十郎の異父兄でもある鬼庭綱元だが、綱元は顧問弁護士として伊達組を守る傍ら、伊達組の財布まで握っているという政宗にしてはどうやっても頭の上がらない人物だ。<br />
　普段は質素な生活を心がけているくせに、自分の興味を惹くものがあると値を厭わずに手を出してしまう政宗の悪癖を誰よりも嘆き――そして誰よりも叱咤してくる綱元に一人で対抗するなど、天と地が引っくり返っても無理に決まっている。がっくりと項垂れた政宗をどうやって浮上させれば良いものかとひそかに悩んでいた猿飛は、しかし小気味いい音を立てて開かれた襖の奥から出てきた人物を眼にして、思索をやめた。<br />
「――誰が鬼だって？」<br />
　政宗たちを玄関まで案内してきた沖田をはじめ、隙のない足運びで廊下を進んでくる五人を従えた和装の男――新誠会会長代行たる土方歳三の威風堂々たる姿に、打ちひしがれていた政宗も一瞬にしてその表情を凛としたものへと変えた。<br />
「そりゃあ、土方さんのことなんじゃねえの？　なんせ、鬼の代行って言われてるくらいだし」<br />
「違いねえや」<br />
「他所の組織の幹部にまでそんな異名が轟いてるとはねー。土方さんも出世したってことかな？」<br />
「悪名だからこそ轟いてるんじゃねえのー？」<br />
「……否定はできんな」<br />
　けたけたと笑いながらも、それぞれの双眸は油断なく来訪者の気配を探っている。<br />
　自身が率いる伊達組も武闘派として知られた存在ではあるが、眼前の連中のように笑いながら圧倒的な殺気を振り撒ける人間はさほど多くはない。<br />
「おもしれえ……」<br />
　きっと刃を交えれば、これ以上ないほど楽しませてくれる連中だろう。<br />
　自分が謝罪に来たことも忘れて、好戦的に目をぎらつかせ始めた政宗を流石にまずいと思ったのだろう。隣で沈黙を続けていた猿飛は瞳孔が引き締まってゆく政宗の肩を掴んで揺さぶり、現実へと無理矢理引き戻した。<br />
「ちょ、あんた今日ここに来た理由忘れてないでしょうねっ？！」<br />
「あ？……ああ、」<br />
　忘れかけていたとは言えずに、政宗は口ごもる。<br />
　龍志会の幹部になってしまってからは控えているとは言え、政宗は元々伊達組の次期組長という立場ながら真っ先に相手の事務所に踏み込んでいった根っからの好戦者だ。自らを楽しませてくれそうな相手がいれば、ついつい目を輝かせて戦う機会を覗ってしまう。しかし、今回は龍志会からの謝罪を届けるための使者としてこの場に赴いているのだ。それではまずかろうと、一応は気を取り直してみたのだが。<br />
「……てめえら、余計なことばかりくっちゃべりやがって。簀巻きにして海に放り込まれてえか」<br />
「いやだな、土方さん。ただの冗談じゃないですか、冗談」<br />
「そそ、だぁれも本当に土方さんが鬼みたいだなんて思っちゃいませんて」<br />
「……なんせ、本当に鬼だもんな」<br />
「偽物扱いしちゃあ申し訳ねえってもんよ」<br />
「……左之、新八。声が高いぞ」<br />
「――聞こえてんだよ、てめえら…ッ！」<br />
　凛々しい顔を怒りに染めた土方に怒鳴られても、後ろに控える面々は痛くも痒くもないらしい。<br />
　妙な団結力はあるくせに中々思い通りにならない仲間を持つものの苦しみがわかるのか、隣に居る猿飛と後ろに控える小十郎が見てられないとばかりに目を背けたのを見て、政宗はほんの少し良心が痛んだ。<br />
「ほらほら土方さん、お客さんがお待ちですって。いい加減怒るのやめて――」<br />
「誰のせいで怒ってると思ってんだ、ああ？！」<br />
「えー？　僕のせいじゃないし……。平助君のせいじゃない？」<br />
「俺かよ？！　違ぇよ、左之さんだろぉ？」<br />
「それこそ俺じゃねえよ。なあ、新八」<br />
「いや。おまえが悪い」<br />
「……てめえ、裏切んのか、この……っ」<br />
「やめろ左之。非は潔く認めておけ」<br />
「ほらほら土方さん、左之さんもああ言ってることだし、そろそろ許してあげたら――」<br />
「黙ってろ！！！」<br />
「「「……」」」<br />
　どうやら話し合いが出来るのは、まだしばらく先らしい。<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/%E4%BB%96%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%AB/basara-%E8%96%84%E6%A1%9C%E9%AC%BC%EF%BC%A0%E6%A5%B5%E9%81%93%E3%83%91%E3%83%AD2" target="_blank">あとがき（言い訳）</a>]]>
    </description>
    <category>他ジャンル</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/%E4%BB%96%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%AB/basara-%E8%96%84%E6%A1%9C%E9%AC%BC%EF%BC%A0%E6%A5%B5%E9%81%93%E3%83%91%E3%83%AD2</link>
    <pubDate>Sun, 02 Nov 2008 10:18:06 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mt28kz.blog.shinobi.jp://entry/85</guid>
  </item>
    <item>
    <title>BASARA+薄桜鬼＠極道パロ</title>
    <description>
    <![CDATA[<span style="color:#666666">（極道パロ内でBASARAと薄桜鬼のWキャスト話）</span><br />
<br />
<br />
<br />
　目の前には伊達組本家にも劣らない立派な門構えをした和風建築が居を構えている。<br />
　本来なら感嘆の一つでもあげたいところだが、ここに来ざるを得なかった理由が理由のせいで、そんな陽気な気分にはとてもではないがなれない。伊達政宗は苦々しい顔を隠しもせずに重い溜息を吐き出すと、八つ当たり混じりに隣で自分と同じように目の前の屋敷を眺めている男に噛み付いた。<br />
「ったく…だいたいよお、なんで俺まで他人の謝罪のために出張ってこなきゃなんねえんだよ。誠意見せるなら、No.2のおまえが行くだけで事足りるだろうが」<br />
「それはほら、謝意がまったくないNo.3でも居ないよりは居た方がいいって奴じゃない？」<br />
「……帰る」<br />
「――ってのは冗談でー、やっぱ組織の幹部には威厳ってもんが必要じゃない？　俺はあんまり幹部っぽくないからさあ」<br />
　それに真田の旦那からの厳命だし。にこにことほざく男の腹の中を掻っ捌いて覗いてやりたい。きっと外に漏らせば非難轟々な言葉がどろどろと渦巻いているのだろう。<br />
　真田も、何を思ってこんな人選をしてくれたのか……。<br />
　政宗は今更過ぎる鬱屈を溜息とともに吐き出しながら、目の前の屋敷に陣を張る組織のことを思った。<br />
　――会津組二次団体、新誠会。<br />
　会長の近藤勇をはじめ、会長代行の土方、運営委員長の斎藤など手錬揃いの武闘派集団で有名なこの組織は、関西に根を張る会津組の下部組織だ。<br />
　どちらかと言わずとも、関西にも拠点を広げている龍志会とは敵対している組織のひとつで、本来なら龍志会の幹部である自分たちが気楽に近寄っていい場所では決してない――が、今回は理由あって龍志会の最高幹部たる政宗と猿飛がわざわざ敵の本拠地まで足を運んできたのだ。<br />
　元はといえば新誠会と龍志会の二次団体である渡辺組の間で起こった問題だったのだが、普段から仲が良いとは言えない新誠会との話し合いの場は荒れに荒れた。しかも、分が悪いことに過失はあきらかに渡辺組の方にあり、もはや渡辺組の組長である佐々木よりも上役の自分たちが出てくるほかない状況だったのだ。<br />
　問題を起こした組員を引き連れて詫びに来た佐々木は青ざめながら頭を下げていたが、謝られた程度でこの面倒を引き受ける気になどなれない。<br />
　会津の下部組織である新誠会は以前から気になっていたし、ただの様子伺いで尋ねるというならばこれといった文句もなく関西入りしただろうが、今回は別だ。へまをした下部組織のために頭を下げる。いくらそれが最高幹部としての役割だとはいえ、自分の下部組織でもない（佐々木は武田の子分にあたるので、政宗から見れば兄弟分だ）連中のために頭を下げるのは気が向かない。こういう面倒事は折衝のとくいな猿飛に全て押し付けて自分はさっさと逃げようと思っていたのに、よりにもよって真田直々に名指しの指名を受けてしまった。曰く。<br />
（きっと政宗殿なら新誠会の幹部の方々に気に入られるでござろう）　<br />
　ということで、元から行く予定だった猿飛に加え、いやだ断ると盛大にごねた政宗が関西に派遣され――今に至るという事だ。<br />
　純和風な造りの門構えには似合わない電子チャイムを鳴らし、用向きを告げて数分。こちらもある程度武装しているとは言え、人数で言えば圧倒的に敵方に劣るだろうこの状況に神経がぴりぴりと痛む。<br />
　まさか両組織合意の上で行なわれる会合でドンパチなど仕掛けてこないだろうが、万が一という事がある。幹部である自分たち二人以上に緊張した面持ちを見せる同行者たちを背後に抱えながらひっそりと溜息を吐いた政宗は、そんな緊張した空気を消し去るかのように掛けられた能天気な声に眉を寄せた。<br />
「はいはーい、今開けますからちょっと待ってて下さいねー」<br />
「「……」」<br />
　どこまでものんびりとした、緊張感のない声。<br />
　ここが自軍の本拠地だということもあるのだろうが、一応は敵対している組織の幹部を待たせているのだ。もう少し、こう、緊張というか誠意ある対応というか……。<br />
　政宗のこめかみがぴくぴくと引き攣っているのに気が付いたのだろう。政宗の斜め後ろに控えていた小十郎が「政宗さま、」と窘めるような声を掛けてくる。その声にひとまず困惑を押し留めてはみたのだが、見守っていた門が開いた先――にこにこと場に不釣合いな笑顔を浮かべた和装の男を視界に納めると、一度は納めた腹の虫がぞわりと音を立てるのを感じた。<br />
「うわ、本当にその人数で来たんだ。やっぱり龍志会の幹部ともなると度胸も人一倍ってことなのかな」<br />
　にこにこと。あまりにも楽しげに笑う男の顔に、自分の大嫌いな男の印象が重なる。<br />
「……おい、猿飛」<br />
「……俺に振らないでよ」<br />
「間違いなく、あれは、おまえの、同類だろうが……ッ！」<br />
　じろりと睨みすえた先、我関せずを貫いていた男の頬がぴくりと引き攣っているのを見る。<br />
　政宗を目を合わせないのは認めたくない事実と目を合わせるのが厭なのか。「わあ、それにしても見るからに物騒な集団だなあ。あははは」と笑う自分は、明らかに隣の男同様わかっているのに空気を読まずに、自分の楽しみを優先する類だ。<br />
　一句ごと言葉を切りながら訴える政宗を見ないようにしていた佐助は、唇を引き攣らせながら「俺はあそこまで酷くない」と逃げた。<br />
「こんな場面でおちゃらけられるほど、俺の神経は太かないよ、伊達さん」<br />
「嘘吐け！　俺の事務所に出張ってきてはあんな風にいちゃもんつけてきやがる癖しやがって！！」<br />
「あれは、ほら。挨拶みたいなもんだから……」<br />
「ならあれにも挨拶しかえせよ！　てめえの得意分野だろうが！！」<br />
「えー……」<br />
　心底厭そうな声を出す猿飛はもはや役に立たないと見て、政宗は大きな嘆息を吐いてから渦中の人物へと視線を流した。<br />
　途中からはヒートアップしてしまい、声音を抑えられていなかっただろうに、当の本人はにこにこ笑いを崩さずに居る。<br />
　……やはり、こいつと同類だ。<br />
　政宗は役立たずの烙印を押した隣の男に内心蹴りを入れながら、まずは先にと「この度は……」と口上を口にしようとしたが、「待って」という男の制止によってそれ以上の言葉は言わせてもらえなかった。<br />
「用件は中に入ってからにしてくれるかな。僕に言われても、困っちゃうし」<br />
「はあ、」<br />
「だいたい、僕に謝罪なんて必要ないですよ。僕は問答言わずにそっちに討ち入ろうって主張してたんだから、謝罪して欲しいとも思ってないし」<br />
「……」<br />
「謝罪を受け入れて穏便に済ませようとしてるのは近藤さんたちだしね。謝罪は、そっちにどうぞ」<br />
　にこにこにこ。<br />
　笑っているのに、言っている事がえげつない。<br />
　思わず隣の男へと視線を流すと、見ないでくれとばかりに掌で横顔を隠してきた。どうやら、どこか痛む場所があるらしい。<br />
　政宗はもう一度大きな溜息を吐いてから、案内をすると言って背を向けた男に従って歩き始めた。<br />
<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/%E4%BB%96%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%AB/basara-%E8%96%84%E6%A1%9C%E9%AC%BC%EF%BC%A0%E6%A5%B5%E9%81%93%E3%83%91%E3%83%AD" target="_blank">あとがき（言い訳）</a>]]>
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    <category>他ジャンル</category>
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    <pubDate>Sun, 02 Nov 2008 06:31:15 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>花籠（ボツ原稿）</title>
    <description>
    <![CDATA[<a href="//mt28kz.blog.shinobi.jp/File/dd.jpg" target="_blank"><img src="//mt28kz.blog.shinobi.jp/Img/1221314960/" border="0" alt="" /></a><br />
<br />
オフ本として発行しようと思っていた「花籠」ですが、どうにも筆が進まないため発行を中止しました。<br />
そのため、行き所がなくなった未完SSを追記部分に乗せています。<br />
<br />
始まりと終わりのみがあって、真ん中がゴソっと欠けてます。続きは…気が向けば、という感じなので中途半端でもOKという方のみどうぞ。<br />
<br />
<br />
…あ。本当にチョッとだけですが、オリキャラ×佐助のお色気シーンがあります。読み飛ばしても良い部分なので、気に入らなかったら飛ばし読みして下さいませ。<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86/%E8%8A%B1%E7%B1%A0%EF%BC%88%E3%83%9C%E3%83%84%E5%8E%9F%E7%A8%BF%EF%BC%89_81" target="_blank">花籠【序曲】</a>]]>
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    <category>BASARA／サスダテ</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86/%E8%8A%B1%E7%B1%A0%EF%BC%88%E3%83%9C%E3%83%84%E5%8E%9F%E7%A8%BF%EF%BC%89_81</link>
    <pubDate>Sat, 13 Sep 2008 14:04:00 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mt28kz.blog.shinobi.jp://entry/81</guid>
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    <item>
    <title>花籠（ボツ原稿）</title>
    <description>
    <![CDATA[こちらも上に続いて没原稿。<br />
上はR指定なしでしたが、こちらは幸村+佐助×伊達の3●を書いたお話なので、当然のようにR18です。<br />
しかも最初から終わりまでアレなシーンしかないです。<br />
<br />
だってボツ原稿だから。<br />
<br />
幸村×佐助はありませんので、伊達総受けになります。<br />
こちらも続きの執筆予定は未定……。<br /><a href="http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86/%E8%8A%B1%E7%B1%A0%EF%BC%88%E3%83%9C%E3%83%84%E5%8E%9F%E7%A8%BF%EF%BC%89" target="_blank">花籠【淫曲】</a>]]>
    </description>
    <category>BASARA／サスダテ</category>
    <link>http://mt28kz.blog.shinobi.jp/basara%EF%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%80%E3%83%86/%E8%8A%B1%E7%B1%A0%EF%BC%88%E3%83%9C%E3%83%84%E5%8E%9F%E7%A8%BF%EF%BC%89</link>
    <pubDate>Sat, 13 Sep 2008 13:04:05 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mt28kz.blog.shinobi.jp://entry/82</guid>
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